意識は傍観者である

デイヴィッド・イーグルマン氏の「意識は傍観者である」について解説します。

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本の紹介

  • 意識は傍観者である~脳の知られざる営み~
  • デイヴィッド・イーグルマン著 大田直子訳
  • 早川書房

意識的に行っているのではなく、脳の活動を傍観しているだけ

  • 私たちが行動したり考えたりすることの大半は、私たちの意識の支配下にはない。意識は、脳内で生じているもののほんの小さなかけらに過ぎない。
  • 脳は、ほとんど自動操縦で動いており、意識は、遠い外れから脳の活動を傍観しているにすぎない。

意識は、会社のCEOであり、問題のある時だけ働く

  • 意識は、自動化されたエイリアン・システムを制御する、そして制御を分配するために存在する。意識は、会社のCEOであり、高いレベルの方向性を決めて、新しい仕事を割り当てる。CEOは眠っていられる。何かがうまくいかなくなったときだけ、CEOが起こされる。世の中の出来事があなたの予想を裏切るような状況で起こされる。
  • 認知機能には柔軟性がない。特定の効率的なプログラムは備えているが、思いがけない新たな仕事に対応するために、すばやく切り替える仕組みが必要。その時に意識が働く。

意識レベルは、知的柔軟性の度合いを表す

  • 意識は、全か無ではなく、段階的に生じるものであり、その意識レベルは、その知的柔軟性の度合いに対応している。
  • 意識があるかどうかの指標は、自動化されたエイリアン・システムをうまく仲裁できる能力があるかどうか。うまく調整を行い、喜びを先延ばしにして、新しいプログラムを習得できる動物ほど意識度は高い、つまり知的柔軟性が高いと言える。

関連する仮説:受動意識仮説

  • 受動意識仮説(Passive Frame Theory)は、哲学者のトマス・メッツィンガーや慶応義塾大学の前野隆司教授によって提唱されている仮説。
  • 私たちの意識とは、外界の刺激に対する「受動的な」反応のフレームであり、私たちは外界の出来事をただ観察しているだけで、それを活発的に処理しているわけではないとする。
  • 意識は、脳の無意識の部分が動作した結果を受動的に受け取って、あたかも自らが主体的に意図したかのように、つまり、「幻想」「内部的な反映」をリアルであるかのように錯覚する機能に過ぎないとされる。私たちの意識は、外界にある実在のものとは直接関係がなく、私たちの脳がその情報を解釈して作り出しているものとされている。
  • この仮説の根拠として、ベンジャミン・リベットによる実験が引き合いに出される。多くの人は「自分の意思で指を曲げようと決めたから、指が曲がった」と考えるが、その指を曲げる動作をしようとする「意識的な意思決定」以前に、「準備電位(Readiness Potential)」と呼ばれる無意識的な電気信号が立ち上がるのを確認した実験になる。意識で感じるよりも、無意識下の指令の方が先行することを示している。※様々な反論がある。
  • この受動意識仮説は、意識の本質に関する議論に対して新しい視点を提供するものであり、意識の認知的側面に焦点を当てている。

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